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2020年2月8日ドクターイエロー見物録

 2月8日のお昼、東京ー品川間で700系に乗ってきました。その様子は昨日公開した記事にて書かせていただきましたが、同じ日の夜、“幻の700系”に会いに行ってきた時のお話です。

ドクターイエローがやってきた!

 もう見出しで分かると思いますが、“幻の700系”とはドクターイエローのことです。
 ドクターイエロー・923形は東海道・山陽新幹線の線路設備を高速で点検するために作られた車両。新幹線を利用しているなら知らない者はいない憧れの鉄道車両です。

 そんなドクターイエローは700系をベースに製造されています。この700系ベースであることが実は問題で、間もなく700系は東海道新幹線から引退しますが、それと同時にドクターイエローも引退するのではないかと囁かれているのです。

 最もこの話自体はJR東海から否定されています。ドクターイエローは700系の東海道引退後も検査車両として東海道新幹線を走行することが決まっているそうです。

 しかし、通常の営業車両で線路設備を検査できる技術はすでに九州新幹線で完成されており、東海道・山陽新幹線でも試験が行われて来たそうです。早い話、ドクターイエローそのものの引退も秒読みになりつつあるのです。N700系タイプのドクターイエローが誕生する可能性も薄いでしょう。

 そこで2月8日、この日にドクターイエローが東京駅に入線するとの情報を聞きつけました。せっかく700系乗り納めの日と同じなのですから、記念に見ておこうと。
 前置きが長くなりましたが、今回はそんなドクターイエローを見に行った時のお話です。

すごい数の見物客

 700系に乗り納めた後に再び東京駅へ。ドクターイエローのような非旅客車の運用は900番台の列車番号が付与されるのが通例です。そのため、列車番号を見ればドクターイエローがどの列車に当たるのかを特定することが出来ます。今回の場合は「回送933号」がドクターイエローに充当された列車番号でした。

 ドクターイエローのダイヤは非公開。と言っても走る姿はネット掲示板などで常に書き込みが行われているため、走行時間から逆算して東京駅に着く時刻を特定することが可能です。

 その予測情報を基にドクターイエローを見に集まってきた家族連れがわらわら。間もなくドクターイエロー入線、という時にはホーム柵一帯は溢れんばかりの人になっていました。お昼の700系C編成オリジナル塗装のラストランとは比べ物にならないほどの人気っぷりに苦笑い。

ドクターイエロー入線

 そうこうしているうちに目的の車両がやってきました。

 やってきました、ドクターイエローです。駅のライトに、その黄色い車体を艶やかに浴びせながらゆっくりと入線してきました。

 入線すると待ってましたといわんばかりに撮影大会。ドクターイエローが撮影されるときの特徴として、親子連れが非常に多いということが挙げられます。そのためか、我先にと撮影する人は少なく、皆さん譲り合って写真撮影をされていました。
 それでも柵を乗り出したり等結構ヒヤヒヤな場面はあったのですけどね(^-^;。

 そんなギャラリーの興奮をよそに、ドクターイエローの回送準備は粛々と進められました。通常の運転手・車掌の他にも、作業員とみられる方の出入りがあり、通常の旅客車とは違う手順で動く車両であることが良く分かるシーンでした。

 新幹線のアイドルたるドクターイエロー。しかし、その魅力は何も真っ黄色な車体だけではありません。客扱いの無い事業用車だからこそ、特別の設備も多く備えているのです。

 例えば上のパンタグラフは、目視で状態を確認するための観測窓があり、パンタグラフ本体には視認性向上を狙ったライトアップがなされていました。こんなの、普通の新幹線車両にはありません。


 他にも、パンタグラフ観測ドーム用の階段、座席の無い車内、線路検査のための特別な台車など、旅客車にはない魅力がいっぱい詰まっています。先頭車や黄色い塗装ももちろんかっこいいですが、こういう“普通の車両とは違う設備”を眺めるのもとても楽しいですよ。

 そうして、25分間の長い停車の後、ドクターイエローは東京の大井車両基地へと帰っていきました。こうして沢山の人達に見送られているのを見ると、やっぱり愛されている車両なんだなと思ったものです。

 それでは、東京駅でドクターイエローを見に行った時のお話でした。ベースである700系が東海道から引退し、N700系へ統一される今、このドクターイエローもそう長くないでしょう。だからこそ、700系と一緒にその姿を眺められたのは本当にいい経験だったなと思います。引退が近くなったら、また見に行きたいと思います。

 それではここまでお読みいただきありがとうございました。やっぱりかっこ良かったです。ドクターイエロー!

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