鉄道基礎用語-3 ~事業用車両~
鉄道基礎用語第3弾。今回は鉄道車両の中でも特殊な存在『事業用車両』について取り上げます。
見れただけですごくラッキーな、鉄道ファンよだれ物の車両ばかりです。
客や貨物を載せない車両

右に停車しているのが東急の事業用車両「TOQ i」。検測の他、自社車両の牽引に用いられる。筆者撮影
『事業用車両』は線路の維持管理や技術向上のための試験など、旅客・貨物輸送に徹しない特殊な目的で作られた車両のことを指します。要は客や貨物を載せない会社のための車両だと思ってください。
極めて限定的な用途でしか用いられないためその車両が営業路線を走ることは珍しいですが、出会えた時の興奮度はピカイチです。
上のTOQ iは多摩川駅で撮影したもの。左側にある東京メトロの車両がこのとき私が乗っていた車両だったのですが、さも当たり前のようにぬーっと入ってきましたw。
突然の出会いがある。そんな嬉しさに満ちた存在が事業用車両なのです。
日本一有名な事業用車両~ドクターイエロー~

東京駅に入線したドクターイエロー。筆者撮影
日本の鉄道路線を走る事業用車両の中で一番有名なのは何といってもドクターイエローでしょう。その知名度、人気度は他のどの事業用車両の比ではありません。
ドクターイエローは事業用車両の中でも検測車の部類に入り、東海道山陽新幹線の線路や架線、信号設備の検査を目的に走っています。
ドクターイエローは10日に一度走行しており、そのダイヤは非公開です。ですが、ドクターイエローを日ごとに追う掲示板が存在しており、そこではドクターイエローが何時何分にどこを通過したかを確認することが出来ます。
私もそれでドクターイエローの東京駅到着時刻を予想し、写真を撮影しました。上の写真はまさにその時のものです。
土砂降りでしたが頑張っていったかいがありました。
このドクターイエローに相当する車両は大手私鉄であれば持っていることもあり、JR東日本ならEast-iシリーズ、東急ならTOQ iなど日中に他の一般車両と紛れて線路を検査できる車両があります。これらもまた非常にレア車両で会えたらラッキーな車両です。
事業用車両は検測車だけではない

JR東海が開発した高速試験車300X。現在は役目を終え、リニア鉄道館(名古屋)と新幹線高速試験車両保存場(米原)に保存されている。筆者撮影
事業用車両の種類には検測車だけでなく、鉄道の技術向上の研究のために用いられる「試験車」というものがあります。厳密には検測車も試験車の部類に含まれますが、通常は技術開発のために用いられる専用車のみを「試験車」と呼んでいます。
この試験車は検測車を超えるレアリティを誇ります。私はまだ博物館でしかその姿を見たことはありません。技術試験車は主にJRが製造、所有していることが多く、実際に線路の上を走らせて最新技術の性能について確認、実験をします。
新幹線の中で現在の最新の試験車両はJR東日本区間のFASTECH360シリーズですが、2019年度中に同じJR東日本がALFA-Xという最新の試験車両を導入します。新幹線における360km/hの運転を目指し試験運転が行われるそうです。
また事業用車両には列車が自力走行できない場合に備えた牽引車、一般車両が走行不能になった時に救援に行く救援車、鉄道会社が自社内で線路を通して物品を運搬する配給車などがあります。
ただし、近年はトラックでの輸送のほうが効率がいいことから配給車はほぼ絶滅状態です。
というわけで今回はレアな車両である「事業用車両」についての解説でした。
次回はこの記事でも多用してきた用語「車両」、そして「列車」についてお話します。
