鉄道基礎用語

鉄道基礎用語-4 ~列車と車両~

鉄道基礎用語第四弾。今回は「列車」と「車両」の違いについてお話します。

迷ったら「列車」と言おう
この鉄道基礎用語の記事でも散々お話しましたが、レールの上を走る乗り物は「電車」だけではありません。「電車」とはあくまでも動力源及び用途によって区別される鉄道車両の「種類」のことであり、レールの上を走る乗り物がすべて「電車」に該当するわけではないのです。
では、その「レールの上を走る乗り物」全てを指す言葉は一体なんなのか。これが「列車」です。

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営業路線の上を走っていればそれは「列車」。法律的には本線区間を走る鉄道車両のことを指す。筆者撮影。

「列車」とは車両の中でも特に「ヒト、モノを運搬するために使用される鉄道車両」のことを指します。より正確には「本線上を走行している車両」。要は皆さんが普段お客として乗る鉄道車両のことだと思ってください。

列車は動力源、用途に関わらず線路の上を貨物や人を載せながら走っていればそれは「列車」になります。この列車という概念を覚えておけば鉄道ファンから顰蹙を買うことはありません。必ず押さえておきましょう。

まあ、レールの上を走っているものを全部「電車」と呼んだところで害は一切ないんですけどね。むしろそっちの方が分かりやすいというか。思わず気動車を「電車」と言ってしまっても気にすることはないでしょう。

なお、車両が1両編成でも扱いは「列車」になります。

列車ではない「車両」
で、この記事でもう一つ取り上げる単語「車両」についてですが、この「車両」は単に「車」という意味を持ちます。

「車」とは「車輪を回転させて移動する乗り物」のこと。「車両」も全く同じ意味です。「車両」という単語自体は自動車の分野でも用いられます。
これを鉄道に当てはめれば、「レールの上を走る車」そのものということになるでしょう。要はレールの上に乗って走る乗り物は全部車両です。
なら、列車と車両は何が違うのか。

列車というものは車両によって構成されます。列車という区分は車両の下位カテゴリに属するものだと思ってください。
そして、車両が車両基地にいる間=旅客・貨物輸送を行わない間、その車両はただの「車両」です。列車ではありません。ヒト、モノを運搬するために使用「されない」わけですから。自動車でいえば自家用車みたいな扱いになります。

そして車両が車両基地から出発し、旅客・貨物輸送用車両として運転を開始するとその車両には「列車」という属性が付与されます。この車両はヒト、モノを運搬するために使用「される」わけですから。ただの自家用車からタクシーに変化した。とでも考えて貰えれば分かりやすいと思います。

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雪谷検車区に留置されている東急1500系。この状態はまだ「車両」。車両基地から出て初めて「列車」になる。筆者撮影。

さらに法律的には「車両基地内で留置・走行しているもの」が車両、「本線を走行しているもの」が列車と区分されますが、基本的にレールの上を走るものは全て車両だと考えて貰えればよいです。そして、その中でも特に旅客・貨物運送をするものを列車と呼ぶのです。

と言うわけで今回は「列車」と「車両」のお話でした。今回は特に車両の解説がすごい難しかったです。最も基礎的な概念であると同時にそもそも定義すら曖昧な単語。これを人にどう説明すればいいのかすごく苦労しました。
ですが、この解説で列車・車両の概念が分かっていただければ幸いです。

参考文献
東京メトロのひみつ
PHP研究所
2011年