鉄道基礎用語

鉄道基礎用語-1 ~電車と気動車~

どうも、今日から新しい企画を始めてみました。その名も「鉄道基礎用語」。鉄道が好きなら知っておきたい、鉄道マニアと話すのなら最低限知っておきたい基礎用語について載せていきます。

初回は「電車」と「気動車」についてです。

線路の上を走るものは全部「電車」?
たまに鉄道ファンに関する逸話でこんな話を聞きませんか?
テレビにローカル線の車両が映ると鉄道ファンがテレビ局に「あれは電車じゃなくて気動車」と電話を入れてくる話を。

無論一般人から見ればそこを走っているのは紛れもなく『電車』でしょう。だって四角い箱がレールの上をコトコト走っているのですから。
というより、普通の人であればレールの上を走る乗り物は『電車』という認識で生きていると思います。実際それで困ることもありません。

ですが、その映像で走っている『電車』の上に電線は走っているでしょうか?そうこの『電車』、電気で走っていません。この電気で走らない『電車』こそ今回取り上げる『気動車』です。

電車は電気で走り、気動車は軽油で走る
まずお話しなければいけないのは『気動車』は『電車』ではありません。動力源によって区別された完全な別グループの車両です。電車と気動車そしてもう一つ『客車』を加えた『旅客車』というグループがこれら3グループの上位グループに当たりますが、ここではその説明は割愛します。

まず『電車』から。
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E231系電車。画像はWikipediaより(CC-BY-SA2.5。帰属:LEAK)

電車とは電気による駆動力で走るかつ旅客を運ぶ鉄道車両のことを指します。基本的には『架線』と呼ばれる電線から電気を常に受け取り、その電気によりモーターを駆動させて走行します。

電車はディーゼルエンジンよりも動力が小型で速度調整も容易にできます。また排ガスも出ないといったメリットから大都市圏や幹線路線、その他ローカル線など多くの路線で採用されています。
ただし、変電所施設などの地上設備に対するコストが大きくなりがちなのが弱点です。

日本の大多数の鉄道車両が電車だと言われています。

一方の『気動車』
気動車
キハE130形気動車。画像はWikipediaより(CC-BY-SA3.0。帰属:Hakutaka0810)

気動車とはディーゼルエンジンなどの内燃機関を用いて走るかつ旅客を運ぶ鉄道車両のことを指します。基本的には軽油をタンクに入れ、それをエンジンに送り燃焼させることで駆動力を得て走行します。

ようはディーゼル自動車が線路の上を走っていると思ってください。

気動車の最大の特徴は走る線路を選ばないこと。電車は架線のあるところしか走れませんが、気動車は2本のレールさえあればどこへでも走ることが出来ます。また性能も技術力の向上で電車と遜色ないほどになっています。
しかし、車両に対するコストは電車よりも高く排ガスも出るため、多くの車両を走らせる大都市圏には向いていません。
なので、気動車はコスト的に地上設備を入れられず、結果として車両にコストをかけた方が安い路線に採用されます。よって気動車はローカル線で非常に多く導入されています。

以上のことをまとめると、電車は電気で走り車両コストは安い。だけども架線のような電気設備がなければ走ることが出来ない車両。一方気動車は軽油で走り、架線のような電気設備は必要なくレールさえあればどこでも走れる。しかし、車両にかかるコストは高く排ガスが出るため、多くの列車を走らせる都市部にはあまり向いていない車両ということになります。

見分け方
でも、電車が電気で走る、気動車が軽油で走るといっても見分けられなきゃ意味がないという方もいると思います。
しかし、この二つには簡単な見分け方があります。それはパンタグラフ(=集電装置)があるかないかです。
パンタグラフ
パンタグラフ。画像はWikipediaより。(CC-BY-SA3.0。帰属:Yaguchi)

電車は基本的に架線から電気の供給を受けます。そのため電車が走る線路の上には必ず架線があります(一部例外もありますが)。それに伴い、電車の屋根上には「パンタグラフ」と呼ばれる架線から電気を受け取る集電装置が取り付けられています。
一方、気動車にはパンタグラフがありません。そもそもエネルギー源は内部にあるので屋根上にそのような装置を取り付ける必要はありません。
なので車両の屋根にパンタグラフがあるかどうか。これが電車と気動車を見分ける一つのポイントになります。

ただし、例外はあります。東京メトロ丸の内線などの一部地下鉄路線(電車)は架線に相当する電気線を線路の上に敷いていることがあります。これはいずれ「鉄道基礎用語~架線・第三軌条~」でお話しましょう。

というわけで、『電車』と『気動車』についての説明でした。しかし、まだ鉄道車両には種類があります。それが『機関車』、『客車』、『貨車』です。次回はこの3種類の鉄道車両について解説していきます。

参考文献
「徹底図解 鉄道の仕組み」新星出版社、2006年