鉄道基礎用語-7 ~私鉄・公営鉄道・第三セクター~
前回の記事ではJRと国鉄についてお話しましたが、今回はそれ以外の「私鉄」についてお話していこうと思います。
JR以外の民営鉄道・「私鉄」

JRと東京メトロの車両。筆者撮影
私鉄。その漢字が意味する通り民営鉄道のことです。つまり完全に民間資本で経営が行われており、お金を稼ぐことを第一に鉄道を運営しています。そして、歴史的経緯より民間人が運営するJRは私鉄のカテゴリとは別の鉄道会社として認識されています。
私鉄は一地域に路線を展開するため地元の需要にこたえた運転が可能であり、また沿線開発も出来ます。
地方自治体が運営する「公営鉄道」
そして、地方自治体が運営する鉄道会社が「公営鉄道」です。
運営状況は普通の私鉄とほとんど変わりません。要は経営者が民間人か公務員かというだけの話です。列車の運行に対して格別税金が使われるわけではありません。

荒川線は東京都が運行する路面電車である。筆者撮影
しかし公営鉄道には私鉄にはない特徴があり、そのほぼ全てが地下鉄か路面電車だということ。公営鉄道は財政力のある都道府県や市が建設することが多く、それに伴い都市部での運行に向いた地下鉄や路面電車を都市交通として選択するのだと思います。
数少ない例外が東京都の日暮里舎人ライナーと上野動物園のモノレールです。
多くの場合公営交通も私鉄とひとまとめにして話してしまいますし、やはりJRと私鉄という分け方をしていればほとんど大丈夫です。
とりあえず、JR以外の鉄道会社には民間で運営する私鉄と地方自治体が運営する公営鉄道があると思っていただければよいでしょう。
半官半民の「第三セクター」

第三セクターの三陸鉄道の車両。画像はWikipediaより(CC-BY-SA3.0 帰属:asacyan)
一方、ある路線について何等かの事情で存続が危ぶまれる場合、またこの地区に路線を敷きたいが民間資本のみでは建設・運営が出来ないと判断した場合に地方自治体と民間企業が共同で鉄道会社の経営を行う場合があります。
このような半官半民のシステムで運営される鉄道会社を「第三セクター鉄道」と呼びます。私鉄と公営鉄道のちょうど中間みたいなものですね。
補足として第一セクターは公企業、第二セクターは民間企業のことを指します。
この第三セクターは官と民のいいとこどりを目指した会社運営方式ですが、その実「赤字になっても税金でなんとかしてくれる」とかなり甘えられることの多い経営方法でもあります。
つまり、「赤字でも線路は存続してほしい」といった要望に応えるためのシステムになっているところは否めません。もっとも第三セクターから成功を遂げた鉄道会社もいくらでもあるのですが、今のところは比較的好調な会社と経営難の会社に二分されている状況です。
赤字でも路線を存続させられるけど、赤字から逃れられるかは経営状況次第。それが第三セクター鉄道です。
なお、第三セクター鉄道も通常は私鉄のカテゴリに入ります。
というわけで前回・今回の記事で鉄道会社の4つの形態、JR(国鉄)、私鉄、公営鉄道、第三セクターについて解説しました。
次回は最も基礎的な単語であろう「鉄道」そして「軌道」について解説していきます。
参考文献
伊藤久巳
鉄道マニアの基礎知識
イカロス出版
1996
