鉄道基礎用語

鉄道基礎用語-8 ~鉄道と軌道~

これまで7回鉄道に関する用語の解説をしてきましたが、ここで一番根本的な用語の解説をしたいと思います。

それが「鉄道」。みなさん当たり前のように使っている言葉ですが、いざその意味を聞かれると果たしてあなたは答えられるでしょうか?お話していきます。

鉄道の意味とは
大辞林で「鉄道」と引くと「レールを敷いた線路上を汽車・電車などを走らせ、旅客・貨物を輸送する交通機関。またレールを敷いた線路」とあります。
つまり、レールというガイドに沿って車を走らせる交通機関。それが「鉄道」ということになります。

自動車との主な違いは、自動車は平らな地面であればどこでも走ることが出来ますが電車はガイドに沿ってでしか動けないこと。車は2次元的な乗り物ですが、電車は1次元的な乗り物だと言えるでしょう。

なお鉄道におけるガイドは2本の鉄のレールで出来た線路でなくてもよく、モノレールのコンクリの一本のレールでもいいですし、架線から直接供給を受ければ下がゴムタイヤでも鉄道になります。地面に接地していることとなんらかのガイドがあること。それが鉄道の最低条件です。

黒部トロリーバス
黒部関電トンネルトロリーバス。2018年にバスに転換された。画像はWikipediaより(CC-BY-SA3.0 帰属:Qurren)

写真はかつて黒部ダムに行くための交通路線として運行されていた関電トンネルトロリーバスです。トロリーバスは上の架線から電気の供給を受け電気で走ります。
このトロリーバスは一定のガイド(架線)に沿ってでしか動けず、また他の交通機関の干渉も受けないため鉄道に分類されます。上の写真の車両も無軌条電車という立派な電車に分類されていました。排ガスも出ません。

しかし、今現在関電トンネルトロリーバスは蓄電池で動くバスに転換され、路線そのものもバス路線に転換されています。

鉄道の亜種「軌道」
そして、この記事でもう一つお話しする用語である「軌道」。これは一体何なのかと言うと、その線路上に車の侵入を許す鉄道のことを指します。つまり路面電車のことです。
軌道では線路は車の通る道路にも敷かれていることが多く、車も線路の上を走ったり横断することが出来ます。逆に車の干渉を踏切以外で許さなければそれは単に鉄道です。

広島電鉄
路面電車の広島電鉄。道路の上を走る。画像はWikipediaより(CC表示3.0 帰属:Taisyo)

なぜ鉄道と別個で解説するのかと言うと、鉄道は「鉄道法」という法律が適用されますが、軌道は「軌道法」というまた別の法律が適用されるからです。

ごっちゃになるといけないので整理しておきますと、世の中には「広義の鉄道」というジャンルがあり、その下に法律によって区別された「狭義の鉄道」と「軌道」があると思ってください。

しかし、鉄道と軌道はその形態があまりにも似ているがゆえに法律の運用でも厳密に区別されていないという特徴があります。仮にレールが道路に埋め込まれていなくても道路の上を走っているだけで軌道と判定されることもありますし、鉄道でも特例として道路の上を走っている路線があります。変な話モノレールが「軌道」になっている例もあります。これは驚きでした。

なので、鉄道と軌道はあまり厳密に区別しなくていいでしょう。というか、一つの路線で鉄道と軌道が混在しているパターンもありますのであまり深く考えない方が良いかと。

鉄道の中には軌道というものがあり、軌道は大体が路面電車。という風に覚えておけばいいでしょう。

と言うわけで今回は鉄道と軌道についてでした。次回はそんな鉄道の一種であるモノレールと新交通システムについてです。

参考文献
所澤秀樹
鉄道の基礎知識
創元社
2010年