2020年2月14日700系ラストラン装飾見物録
どうも、最近は鉄道本体への興味も復活してきた石川定治です。
2020年の2月8日に700系の引退が迫っているということで、東京駅に出向いて撮影をしに行きました。今回はそれに続いて特別装飾された700系を見に行ったお話です。
700系ラストランの特別装飾
700系は3月8日に東海道新幹線での最終走行を迎えますが、それにあたり特別な装飾が施されました。
各型式の車両が東海道新幹線から引退する際は、決まって上の写真のような特別装飾が施され、ラストランを迎えるのが習わしになっているみたいです(唯一の例外はJR西日本にのみ所属する500系。JR東海所属ではなかったため装飾がされなかった)。
私が東京駅の新幹線ホームに入った時には入線しており、出発に向けて準備をしていたところでした。
それでも、発車までは十分余裕のある時間だったので、じっくりとそのラストラン装飾を眺めることができました。
何といっても目立つのがこのメッセージの装飾。真っ白な顔に堂々と「700」の文字を携え、勇退を迎える車両であることをはっきりと示しています。
普段は余白なだけに、一層インパクトがありました。
次に目立つのがこの帯装飾。白い車体を駆け抜ける700系のシルエットが描写されており、シンプルながらも車体に溶け込んでいる、何ともかっこいい意匠でした。
ちなみに、装飾編成初走行時は雨でこのステッカーが剥がれてしまったとか。今回東京駅にやってきたのは、予備として待機しておりステッカーが剥がれなかった方の編成でした。さすがにみっともない姿の車両を走らせるわけにもいかないでしょう。立派な姿で私たちの前に現れてくれました。
ちなみに、剥がれてしまった編成の方は車庫に入ってステッカーが貼り直されたそうです。
車体側面の数か所にも、先頭車の帯と同じような意匠が施されていました。先頭車が見えなくても、特別な車両であるということを示してくれています。
間もなく引退の700系。この700系自体、現在走行している新幹線の中でもかなり前時代的な設備を備えています。
例えばロール式の方向幕などはもう700系以外の新幹線では存在しません。それどころか東海道引退後にも残る山陽新幹線向け700系もすでにLED方向幕であり、このJR東海所属700系が終着駅での幕回転を見ることが出来る唯一の車両になっていました。
今回は堂々「のぞみ 新大阪」の表記をしていました。黄色いマークがかつての威光を思い出させます。
車両そのものではありませんが、このような喫煙車の設置も700系独自。全ての新幹線の内、席でたばこを席で吸うことが出来るのは700系のみ。まだしばらく16連の700系が残る山陽新幹線ならまだ可能性はあるかもしれませんが、それを除けば喫煙車は新幹線から絶滅。上のような喫煙車案内も過去のものになってしまうのでしょう。
もう見られなくなるものと思い、700系エンブレムもパチリ。登場当時は最新鋭だったことを示していたのかもしれません。
特別装飾をありったけ撮った後、700系は新大阪に向けて走っていきました。「ありがとう」のメッセージを伝えながら270 km/hで最後の務めを果たしていきます。
今回の東京駅での撮影で一番印象的だったのが、サラリーマンの方の撮影が多かったこと。鉄道ファンよりも多かったのではと思います。最も2月14日が平日でしたので、鉄道ファンが行きにくい、そしてビジネスマンが多い時間帯だったというのも十分あったと思いますが、サラリーマンにとっても何かと思い入れのある車両だったのだと思います。300系と共に、東海道新幹線の主力として走ってきた車両でしたから。
その車両が特別な装飾をして佇んでいるとなると、思わずカメラを向けたくなってしまうものなのでしょう。
それでは今回も記事をお読みいただきありがとうございました。次回は東海道新幹線から引退する“もうひとつの700系”、700系B編成を同日夕方に見に行った時のお話です。